【⑤カステラパフェ開発秘話について】

2024/06/22

前回の日記にて、カステラ銀装心斎橋本店2階にあるカフェ「ラ・サール」にて、人気№1メニューであるカステラパフェをご紹介しました。



今回は、そのカステラパフェがどのような経緯で発売されたのかをご紹介します。




【若者向け新商品を作らないと…】

2020年に流行したコロナウイルスにより、弊社を取り囲む外部環境は激変してしまいました。


カステラ屋の一番の顧客層である、ご老人・ご年配のお客様の外出が著しく減少。


併せて「地域の老人の集まり」「老人会のイベント」など、ご年配の方々が集うイベントの開催もほとんど無くなってしまいました。



イベントの消滅に伴い、これまでご利用頂いていたカステラの手土産やノベルティの需要が消滅してしまいました。



加えて心斎橋本店では、コロナ対策による入国制限により、これまであったインバウンド需要が消滅。


緊急事態宣言等により、当面回復は見込めない状況が続いていました。




ご年配方々のイベントニーズ、インバウンド需要が回復するのはまだだいぶ先になるだろう…。



そこでカフェ担当メンバーは、これまであまりカステラを食べる機会のなかった若い年齢層に対してアプローチするため、カステラを使った新しいデザート新商品を開発する事にしました。



※コロナ禍での心斎橋本店




【なぜ新メニューがパフェになったのか?】


「カステラをどのようにしてアレンジして食べたいか?」

というアンケートを若者向けに社内外で実施した結果



「アイスや生クリーム、フルーツジャムなどと一緒に食べたい」という意見や


「おしゃれなスイーツとして食べたい」という意見がありました。



社内外での若者の意見を総評した結果



カステラをどれと一緒に食べたいのか?というニーズは多種多様であり、共通項としては



「色々な具材と一緒におしゃれなデザートとして食べてみたい。」というニーズがある事がわかってきました。




では、それを表現するために最適なメニューな何なのか?と考えた時、



層になったグラスの中で、様々な味わいが楽しめる、「パフェ」という選択肢が出てきました。




パフェにカステラ生地を入れる事で、層になったアイスや生クリーム、フルーツやゼリーなどと一緒に自分の好みに近い食べ合わせが可能になります。




また、昨今のSNSブームに合わせて、苺の盛り付け方や、トッピングに手作り飴細工を使用するなど、

より若者を意識したビジュアルにて「映え」を意識したパフェの構成にすることにしました。




こうして試行錯誤を重ね、商品開発に約1年半もの時間をかけました。


※試作段階のカステラパフェ




時は流れ、コロナ禍が終わりに近づく2022年3月…





外出制限などが少しずつ緩和され、脱コロナに向けて街が動き出そうという気運が高まって参りました。




これまではどちらかと言うとレトロで保守的なメニューが多かったカフェラ・サールに、若者向けのメニューが誕生したのでした。









コロナ禍により大阪・ミナミの街がすっかり勢いや活力を失う中で、老舗企業が新しい取り組みとして開発した商品であるカステラパフェは、様々なメディアにて取材を受けることとなりました。



※2022年6月朝日新聞より抜粋


※2022年4月みんなの経済新聞より抜粋


雑誌や新聞などのメディアのご紹介もあり、発売当初からカステラパフェは若者を中心にたくさんのお客様にお召し上がり頂ける人気メニューとなり、これまでカステラを食べる機会の少なかった若者が、カフェに足を運んでくれるようになりました。




現在はコロナ禍も終わり、すっかり賑わいを取り戻したミナミの街・心斎橋筋商店街。



カフェラ・サールでは、観光に来る若者以外にも、これまでに通ってくれていた常連のお客様や、海外からの外国人観光客など、様々なお客様にパフェを召し上がって頂いております。



カフェラ・サールは、関西屈指の繁華街・心斎橋にありながら、まるで昭和代に戻ったかのようなレトロな店造りとなっております。




新商品の「カステラパフェ」を食べながら、心斎橋筋商店街通りを窓際席から見下ろせば、非日常かつノスタルジックな雰囲気を味わう事ができます。



もし心斎橋にお越しの際は、今回のお話を思い出して、パフェをお召し上がりいただければ幸いです。

カフェラ・サールの紹介はこちら→カフェ ラ・サール(心斎橋駅・東心斎橋/カフェ・スイーツ) | ホットペッパーグルメ (hotpepper.jp)




〈まとめ〉

①カステラ銀装心斎橋本店2階のカフェ「ラ・サール」には看板商品のカステラパフェがある。


②カステラパフェは、コロナ禍にて主要顧客を失ったカフェメンバーが、新しいニーズと若者に来てもらうために開発された商品である。


③現在はカフェの名物商品となり、老若男女、外国人観光客にもお召し上がり頂いている。